「生まれつき爪が弱くて」
「ジェルネイルをやりすぎて爪がペラペラに・・・」
「水仕事が多くて爪が乾燥してしまって」
など、爪が傷んでいる人は意外にも多いもの。
そこで今回は、爪が傷んでしまった人が、セルフジェルネイルをしたい!と思ったときに気を付けるポイントを、施術手順ごとにポイントでまとめました。
今は爪が傷んでいない人も、予防策として読んでもらえると、安心・安全にジェルネイルを楽しめますよ。
これ以上爪を傷めないための3原則
まず、ジェルネイルを装着するにあたって、セルフネイラーさんに知っておいていただきたい3原則があります。
- 爪に優しいジェルを選ぶ
- 削りは最小限に
- 付け替えは最小限に
爪に優しいジェルを選ぶ
まず第一は、ジェルネイルを購入するところから始まります。
実は多くのジェルネイルが強酸性だって皆さん知っていますか?
このブログの別記事でも紹介しているとおり、特にノーサンディングをうたっているジェルは強酸性であり、爪の表面を溶かして密着度を高めているのです。
爪を溶かすということはつまり、爪にダメージを与えてしまうということ。
すでに傷んでいる爪をさらにいじめるようなことをしてはいけないのです。
そこで、ジェルネイルを選ぶ際は爪に優しいものを選びましょう。
このサイトでも紹介しているシャイニージェルは弱酸性のジェルネイル。弱酸性ということは肌のph値と同じということ。
セルフネイルキットを購入するときに、「できるだけ安いものを!」と思って購入する人は多いと思いますが、それによって爪が傷んでしまい、結局ジェルネイルができなくなったら元も子もありません。
爪を大切に考えるならば、少々値が張ってもキット選びからこだわってほしいと思います。
削りは最小限に
すでに弱っている爪に対しては、とにかく優しく扱うことが大切です。
ジェルネイルでは爪を削る場面がいくつか出てきますが、そのときに削りすぎるとどんどん爪が薄くなります。
とにかく削りは最小限に!が原則です。
付け替えは最小限に
「セルフネイルの醍醐味はぁ、頻繁に付け替えられることかな♡」
なんて、思っていませんか?
先日、1週間に1回のペースでジェルネイルを付け替えているという方にお会いしましたが、見せてもらうと自爪はぺらぺらでかなり痛々しい・・・。ジェルを付けていないと水さえしみると言っていたので、本当にこれはおすすめできません。
ジェルのオフに使用する「アセトン」はプラスチックをも溶かす溶液です。人体に対しては、適切な量を、適切な頻度で使う分には害はないのですが、皮膚や爪を乾燥させる性質があるので、頻繁に使用すると爪の水分が飛んでしまいます。
また、頻繁な付け替え=頻繁なサンディングにもつながり、どんどん爪を削ってしまって薄くなるというパターンも考えられます。
付け替えの頻度が高くなればなるほど、爪へのダメージが大きくなることを知り、なるべく頻度が少なくなる工夫をしなければならないのです。
具体的にはどうしたらいいの?
では、具体的にどうすれば爪へのダメージを最小限に抑えられるのでしょうか?
施術手順に沿って、ポイントを説明しますね!
プレパレーション(下準備)でのポイント
甘皮処理を徹底的に
甘皮処理が中途半端だと、甘皮の上にジェルがのり、そこからリフト(浮いてくること)してしまいます。リフトすると甘皮側からジェルが徐々にはがれてきます。
こうなると、たとえば頭を洗っているときに、髪の毛がリフトしたジェルとの隙間に入り込んでべりっとはがれてしまったりするんですよね。
すでに浮いていたところはダメージが少ないのですが、まだしっかり爪に付いていた部分は力ではがされていますから、爪も一緒に剥がれてしまう可能性が高くなります。
こういったことが起こらないように、甘皮処理は徹底的に行いましょう。
目安としてはこのくらいきれいに。
私が運営するセルフネイルブログに、甘皮処理の方法を掲載しているので、やり方がわからない人はそちらも合わせてご覧くださいね。

甘皮処理はリフトを防ぐ最初の関門!手抜きをせずに行うこと。
サンディングは浅くまんべんなく
多くのジェルネイルは、ジェルを塗布する前に自爪のサンディング(削ること)が必要です。
このサンディングをしすぎている人が非常に多い!
ガリガリと深くサンディングをすれば持ちが良くなると思っている人がいるようですが、それは間違い。逆に爪が薄くなって持ちが悪くなりますよ。
サンディングは
グリッド数が高い(目の細かな)ファイル
で
軽く行う
のが最善です。
できれば硬いファイルではなく、バフ(やわらかい厚みのあるスポンジファイル)で削ると、力が分散されまんべんなく削れます。
とにかくポイントは、「浅くまんべんなく」です。
爪のつるっとしたところがなくなり、全体的に傷がついている状態になればよいです。

サンディングは深くしすぎない!爪全体を浅くまんべんなく傷つけよう
ベースジェルを塗布するときのポイント
爪全体に隙間なく塗る
頻繁な付け替えを防止するためには、長持ちするように装着することが大切。
そのジェルネイルの持ちを左右するのがこのベースジェルの塗り方です。
爪と密着する成分が多く含まれているのがベースジェルなので、これを隙間なくしっかり塗らないと、その上に乗るジェルが密着しません。
そのメカニズムは以下の記事で紹介しているので興味がある方は是非ご覧くださいね。
特に爪のサイド、コーナーは塗り残しが多い部分なので、塗ったあとに爪を上下左右に傾けて、塗り残していないかしっかりチェックしましょう。
また、エッジ(爪の先端の断面)にもしっかりベースジェルを塗りましょう。ジェルネイルが先端からはがれてくる人は、エッジをしっかり塗っていないことが多いように思います。

ベースジェルが長持ちの要!最初のひと塗り目を一番丁寧に
場合によっては二度塗りする
これはジェルメーカーによって異なるのですが、厚みを持たせて塗った方がより持ちが良くなる製品が存在します。
私がおススメしているシャイニージェルは厚みがあった方が良いジェルです。
こういった場合は、一度にたっぷり塗ろうとすると皮膚にジェルが流れてきてしまうため、少量を2度塗りして厚み出しをしてください。
これで持ちがよくなります。
製品によっては厚塗りすると持ちが悪くなるものもありますので、説明書をよく読み、メーカーの推奨に沿って作業してください

ベースジェルで厚みを出して、爪を強化!とれないジェルを目指そう
カラージェルを塗布するときのポイント
4度塗り以上はしない
カラージェルの中には、シアーな質感で作られているものがあります。
あえて透明感を出すことで、うるぷるとした質感を楽しんでもらうように開発されているのですが、人によってはこのシアー感を「発色が悪い」ととらえ、何度も塗り重ねて色を出そうとする人がいます。
実はカラージェルは何度も塗り重ねると、ときに持ちが悪くなるって知っていましたか?
持ちが悪くなると付け替えの頻度が上がってしまうので、4度目塗り以上はおススメしません。
もし、今お持ちのジェルで思ったような発色が得られない場合は、発色の良いジェルを新たに購入するのが賢明です。
ちなみに、楽天のプチプラというショップの激安カラージェルはとても発色が良く、ペンキを塗ったようなマットな質感が好きな方にはおススメのカラージェルです。

カラージェルは最大3度目塗りまで!発色に納得がいかないときはジェルを買い替えよう
トップジェルを塗布するときのポイント
なるべく厚みを出す
ジェルは少し厚みを持たせた方が衝撃に強く、持ちが良くなります。
トップジェルは他のジェルよりもかために作られているものが多いので、気持ちたっぷり目に塗り、厚みを出して塗ってください。
これによって強度が上がります。
さらさらの質感のトップジェルの場合は二度塗りがおススメです。

最後にトップジェルで厚みを出して爪を強化!衝撃に強い爪で長持ちを実現
エッジをしっかり包み込む
爪の先端は日常生活で良く使用するため、摩耗しやすいところです。
トップジェルはここまで塗ってきたジェルを閉じ込め、蓋をするジェルなので、エッジまでしっかり塗れていないと、そこから欠けや浮きが出てきてしまいます。
カラージェルをしっかり閉じ込めるように、エッジまでしっかりと塗っていきましょう。

トップジェルは先端まで塗る!が基本。気を抜かずに最後の仕上げをしましょう!
オフの時のポイント
リムーバーに付ける前の削りをなるべくがんばる
多くのジェルはジェルリムーバー(アセトン)によって溶けますが、爪に厚みがあると、リムーバーが浸透するのに時間がかかります。
そこで、ジェルをオフする前は、ファイルでジェルの表面を傷つけてから浸すのが一般的ですが、この最初の削りをできるだけ深めに行っておくと、アセトンがベースジェルに浸透するまでの時間が短縮され、するんと落とすことができます。
これが足りないと、リムーバーに浸してもべったりとジェルが爪に貼りついて取れず、べりっと手で無理やりはがしたり、ファイルでがりがり削ってしまって、どんどん爪を傷めてしまう結果に。
全体を薄くするのが難しければ、部分的に深く削り、カラージェルに穴を開けるようにしておくと、ベースジェルにアセトンが浸透しやすくなります。
グリッド数の低い、目の粗いファイルで削るとガシガシ削れるので、オフ前の削りは荒めのファイルですると効率的です。

オフ前の削りはがっちり!ただし自爪に達したらそこでやめよう
ジェルを無理やりはがさない&削り取らない
ジェルリムーバーに浸してもべったりくっついてとれない!ええい!もうめんどくさいから爪でかりかりはがしちゃえ!
なんて、やっていませんよね?
これが爪を傷める最たる原因です。
無理やりはがせば爪も一緒に剥がれますし、削り落とそうとすれば自爪も削ってしまって爪が薄くなります。
とにかく爪をけずるのは最小限にしましょう。
一度目浸して取れなかった場合は、ジェルの表面だけをファイルでかるーくサンディングし、もう一度リムーバーに浸しましょう。
あくまでもリムーバーで落とすことにこだわってください。
ただし、アセトンの多用で爪や皮膚が必要以上に乾燥しますので、浸す回数は少ない方が良いです。そのためには、上述のように浸す前の削りをどれだけがんばれるか(薄くしてからアセトンに浸せるか)がカギになってきます。なお、キューティクルオイルを甘皮まわりに塗ってからアセトンに浸すと、乾燥をを防ぐことができます

絶対にはがさない!絶対に削らない!”溶かしてオフする” を徹底しましょう
ジェルネイルを安全に使うという心構え
「ジェルをすると爪が弱くなるんでしょ?」
私も多くのお客様にこのようなことを聞かれましたが、そのたびに非常に残念な気持ちになります。
ジェル自体が爪を弱くしているのではなく、間違った施術が爪を弱らせているからです。
プロのネイリストでもそれを理解して施術している人は少ないのが現状ですので、セルフネイラーさんともなれば、爪の健康を考えてネイルをしている人はごくごく少数なのではないかと思います。
ただ、ここまで読んでくださったあなたなら、ジェルネイルの何が爪を傷ませてしまう原因になるのか、理解したのではないでしょうか?
健康な肌、健康な髪など、昨今、ベースとなるカラダを整えましょうと言う風潮があるにもかかわらず、爪となると飾り立てることばかりに注目がいき、自爪の健康や自爪の美しさにはあまりフォーカスされません。
しかし、ネイルアートは、健康な自爪があってこそ、その上に成り立つものです。
爪が傷んでしまったことは結果として仕方ありません。しかし、それ以上ひどくならないようにすることは可能です。
プロネイリストとしては、多くのセルフネイルを楽しむみなさんが、安全にジェルネイルを使用してくださることを切に願っています。